
2008年1月、ジョン・ギャスライト氏(ツリークライミングジャパン代表)、KONISHIK氏(元大関/One by Oneサポーター)、陣内貴美子氏(バルセロナ五輪バドミントン日本代表)、牟田悌三氏(俳優/チャイルドライン支援センター代表理事)、菅野靖氏(アムウェイ・ディストリビューター代表)による第5回One by Oneアワード選考委員会が行われ、一般公募で集まった候補者(63件)・団体(127件)の中から厳正なる審査の結果、下記の通り「キッズ個人賞」3名と「NPO奨励賞」6団体が決定いたしました。

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森 敦史(もり あつし)君 (東京都・16歳)森君は、視覚は光とはっきりした色がかろうじて分かる程度で、聴覚については、大きな声には反応するが、言葉は通じない(このように視聴覚に障害がある状態を「盲ろう」と呼ぶ)。会話は、通訳介助者を介して触手話、触指文字、指点字で行う。日本では盲ろう児・者のための教育や支援制度が未整備であるが、森君は携帯電話に「ブレイルノート※1」という携帯用点字端末をつなぎ、通訳者を介さないコミュニケーションを可能とした。その成果は、2007年9月にオーストラリアで開催された「盲ろうインターナショナル世界会議」で発表され、世界の研究者達を驚かせ、メディアにも大きく取り上げられた。この快挙は、盲ろう者研究や視覚障害者用コミュニケーションツール開発に活かされ、盲ろう児・者の可能性を大きく広げるだけでなく、同じ障害を持つこども達に勇気と希望を与えている。 紹介ビデオ※ブレイルノート製品名で、携帯用点字端末のこと。視覚障害者の必需品で、パソコンのディスプレイに替わるブレイルノートはデータを正確に、しかもリアルタイムに伝えることができ、パソコンネットワークを利用して情報の交換や、新聞記事など様々なデータを点字で受け取ることが可能になります。パソコン点訳でディスク化された様々な本、電子ブック、CD-ROM情報などを点訳本を介すことなく直接読むことができ、従来の音声や点字プリンタ利用に比べ、入力の確認、編集作業を大幅に短縮します。 |
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江頭 翼(えがしら つばさ)君 (滋賀県・12歳)脳性マヒにより、運動神経が機能しないため、1人で座ることもできず、筋肉硬直が進行し、年々不可能なことが増している。歌が唯一の楽しみで、敬老会や老人ホームでは、かろうじて使える右手にマイクを持ち、演歌でお年寄りを励ましている。また、フォークバンドや大学生と一緒に様々なジャンルの音楽にも挑戦し、「障害があってもこんなに明るく元気に生きてます」とありのままの自分を紹介。「どんなジャンルにも挑戦し幅広い歌手になってたくさんの人を励ましたい。また、好きなこどものために保育士になってこども達とたくさん歌を歌いたい。」という夢をもつ。持ち前の明るさと、心をこめて歌い上げる姿は、聴く人に元気と感動を与えている。自ら障害を持ちながらも、自分の夢のためだけではなく、多くの人を励ますために歌いたいと頑張る彼の姿が、周囲の人々を動かし、思いやりの輪を拡げている点が評価された。 紹介ビデオ |
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竹本 裕行(たけもと ひろゆき)君 (徳島県・16歳)聴覚障害をもち、現在は親元を離れ聾学校に通う。同じ障害を持つ父から手ほどきを受け、小学5年生よりサーフィンに挑戦し、2004年から日本デフサーフィン連盟が主催する国内大会に出場。2007年は最年少で最高峰のスペシャルクラスに昇格、同年9月に行われた世界大会では初出場ながら歴代最年少でベスト8を獲得した。2009年にハワイで開催される世界大会に日本代表として出場し、より上位の成績(決勝進出)を目指す。波の音の微妙な変化を聞き取る必要があるサーフィンにおいて、両耳がほとんど聞こえないながらも、体全体で波の気配を感じとるよう努力を続け、各種の大会で輝かしい成績を修めている。デフサーフィンの世界に留まらず、プロのサーファーになることを目指し、ハンディの克服に向けて努力を惜しまない姿が評価された。 紹介ビデオ |

~教育機会が限られていた聴覚障害学生に、継続的な情報通訳派遣を実施~
授業や講義の内容を聞き取ることが難しい聴覚障害学生に対し、継続的な情報保障通訳派遣を行う公的な支援体制が確立していない現状を鑑み、地域社会の人材を有効活用して継続的な通訳派遣(ノートテイク)を提供。立ち遅れている聴覚障害学生の切実なニーズに応えるだけでなく、「教育のユニバーサルデザイン」の実現を掲げ、いずれの教育機関においても適切な支援体制の構築が望まれる環境を広く訴えていこうという姿勢が評価された。
~ハワイ修学旅行でホノルルマラソンに挑戦、学校全体で夢の実現にむけて努力~
乱れがちな身体のリズムを自然に戻し、代謝を活発化させることを目的に日課に取り組んでいたランニングを「ホノルルマラソン」の参加・完走を目標にした。特別支援学校の海外修学旅行は前例がなくリスクも大きいために、各種行政機関への申請や手続きも困難を極めたが、こども達の社会参加と自立を目標に継続的な教育活動として取り組んでいることを粘り強く訴え実現。障害を持っていても、夢を持つことの大切さ、それを実現させるために学校・生徒・家族が一丸となって努力し、いきいきとした学校生活を送っている点が評価された。
~点訳絵本で目の見えない親子に絵本の世界を楽しむ機会を提供~
代表者自身が先天性の盲目であり、こどもに絵本を読んであげるために、ボランティアの力を借り試行錯誤の末に、点訳絵本を制作し、多くの目の見えない親子に絵本を楽しんでほしいと点訳絵本の無料貸出を開始。代表自らが奔走し、点訳絵本の郵送に、第四種郵便物の認可を受け、郵送費無料でのより多くの親子への貸し出しを実現させ、視覚障害親子の生活の質の向上に貢献する活動が評価された。
~すべてのこども達がよりいきいきと健やかに成長できるよう、きめこまやかなケアを提供~
「ちっちゃな保育所」を運営し、障害や慢性疾患、医療的なケアを必要とするこどもと健常児の総合保育を実施。さまざまな状況にあるこども達が、より健やかに、よりいきいきと成長できることを一番に考え、こども達の個性や発達段階に応じた関わり、それぞれに必要なケアをきめこまやかに提供。健康上不安のないこどもも、障害のあるこどもも、医療的ケアの必要なこどもも分け隔てなく、地域で当たり前に「ともに育つこと」を実践している取り組みが評価された。
~見えにくい発達障害への理解を漫画や紙芝居で訴える~
発達障害をもつこどもは、「障害として認められにくい」ため、周囲からの理解が得られず親子とも傷つきやすい状況にある。その誤解を解消するために、家庭での実際の体験などを分かりやすく漫画で紹介する資料を作成するなど、ユニークな啓発活動を展開。発達障害の特性を広く伝えることで、地域社会からの理解や連携を求め、障害児や家族の支援につなげている点が評価された。
~自閉症・発達障害児の地域社会での自立を目指す~
専門家に協力を仰ぎ、地域の自閉症・発達障害児の早期発見、早期療育活動に貢献。その実績が行政からも高い信頼を受けている。早期からのきめこまやかな療育プログラムの提供や、社会で生きてゆくために必要な生活技術の教育、自立するための就労支援、彼ら自身が生きがいのある生活を送るための余暇活動支援、そしてなにより重要な社会に向けた啓発活動を実施するなど、長期的視野で支援を展開している点が評価された。